同行者 tkd氏
午前は快晴、絶景を楽しむ。が、午後からは大変なことになった。 数日前から行き先を どこにしようかメール・電話で相談していた。前の土曜に雨が降った。その後、北陸は火曜・水曜あたりに雪が降っている。上越まで行けば結構 新雪がありそう。blueCliffさんのblogでは雨飾山も良さげ。tkd氏はJAM勝アプローチの法恩寺山〜経ヶ岳に行きたそうなメールを送ってきている。俺と同じ仕事場のA藤さんも行くことになった。A藤さんは山道具は持ってない。なので、スキー場アプローチのとこ限定になった。これで野伏・日照・雨飾などは却下。御岳・乗鞍方面は降ってそうにない。A藤さんとしては なるべく空いてるスキー場がええとのことで、勝原スキー場(荒島岳)なども候補として考えていたが、それより あまり自分で標高差を登らなくても済むハライ谷かオメナシに行ってみることにした。白山一里野スキー場は以前1度来たことがあったが、JAM勝などに比べると全然 空いてたってのもある。高鷲スノーパークからの大日ヶ岳も候補やったが、このスキー場は混んでるやろってことで却下。
16:30過ぎに自宅を出てA藤さん宅へ向かう。土曜夕方にしては道は結構 空いとる。40分ほどでA藤さん宅に着き、今度は鶴見花ぽーとブロッサムに向かう。モンベルでA藤さんの前夜車中泊用寝袋を買うため。花ぽーとブロッサムでは店の位置を曖昧な記憶のまま突入していったため、周りを一周して ようやく着いた。A藤さん寝袋ゲット。
今度はtkd氏がチューンナップに出してる板を取りに中環で新金岡に向かう。tkd氏が「取りに行く時間が無い」と言ってたため、俺が取りに行くことになった。伝票を持って出るのを忘れたが、えらい簡単に受け取れてしもた。
で、下道で生駒のtkd氏の仕事場へ。結局、荒島岳 か オメナシ(orハライ谷) のどちらか選んでってことでtkd氏に頼み、tkd氏が携帯サイト情報で一里野スキー場は なんちゃってパークがあるってことを知り、それで一里野からのオメナシ(or ハライ谷)に行くことに決めた。21:30にtkd氏の仕事場を出る。途中の回転寿司で晩飯ゲット。で、しばらく下道で石川を目指す。R24→R307→府道
62号→県道3号→R422→湖岸道路→…。途中、草津だか彦根だかでtkd氏に運転交代、"木之本ICから北陸道のって"っちゅうてたが、目が覚めると なんか違うような…、木之本ICへの行き方が分からず、湖岸道路からR8で敦賀に入ったらしい。で、敦賀ICから北陸道に乗る。杉津PAで俺に運転交代。通勤割引適用のため2:30か3:00頃、北鯖江PAで車中泊。
携帯の目覚ましで6時に起き、10分ほど走って福井ICで降りる。JAM勝へ向かうスキー/ボード車の列に加わり、途中で給油後、R157へ。雪は さほどついてないが、アイスバーンの箇所があり、運転には気を使う。谷トンネル手前から西のほうに良さげな斜面が見える。「あの斜面までは どうやってアプローチしたら楽かなぁ」なんて考えながら運転。道から見える白峰の斜面、スキー場には新雪なさげ。R360に入って坂を上っていくと路面の雪が少し増えてきたような気がする。7時半までに一里野スキー場着。第一駐車場には既に数十台の車、結構 客おんねんなぁ(前きた時は もっと空いてた)
さっそく準備を始める。運転席-助手席の間にtkd氏の防水ヘッドランプが転がっとったんで「これ、持ってっときや」と渡す。車から出たのが8:20頃。快晴じゃー。俺はスノーシューで行くことにしたが、tkd氏は「歩くところは新雪は あんまし無いやろう」って予想でスノーシューを置いていくことにした。センターハウスで水袋を忘れたことを思い出す。急いで取りに帰る。ゴンドラ1回券\500也を買い、ゴンドラへ歩いてるとこで腕時計を忘れたことに気づく。またまた急いで取りに帰る。ふーっ、もー疲れてきた。ダッシュで腕時計を取りに戻った後、今度は1回券が どこに行ったんか分からんようなる。どこやーーーー、腕時計をザックにつける時に どっか その辺に置いてしもたんか、なんかよー分からんけど どこにも見当たらない。A藤さんやtkd氏にも探してもらうが見つからない。くそーーー。しゃーないから もっかい1回券を買う。しょっちゅうのことやけど、やっぱ俺はボケとるな。認知症ってヤツ?!まだ、なんか忘れてるようやったら今日は もうヤメにしよう…。
なんだかんだしてたせいで9時に ようやくゴンドラ乗車。ゴンドラを降り、スキー場内で遊ぶA藤さんとは ここで お別れ。
尾根筋には どっから入っていこかいなと周りを見ているとgentemボーダーがヤってきて「登山ですか、気をつけてくださいねー」とのこと。同じ形の板を持ってはった。この雪質でスキー場内でもgentemボード楽しめるかな?!
尾根に出るとこが分かったんで、スノーシューをつけて歩き始める。tkd氏は登りと降りの靴を分けていて、登りの合成皮革冬用登山靴で歩き始める。スノーボードのブーツは既に板のビンディングにつけとぉる。
快晴、微風、絶景。尾根上に人間のトレースは無い。兎や他の小動物の足跡は残っていて、こんな真っ白な世界でも生きてるんやなと少し感動する。スノーシューで10cm程 沈む。今季は結果的にラッセル泥棒となってしまうことが多い雪山行だが、今日はトレースが無いので誰に遠慮することもない。途中、林道っぽいとこを横切る。tkd氏が遅れてる。最初に左下に見えるオメナシは結構 木が うるそぉて、ボードで降りるには苦労しそう。でも、まぁ選べば降りれんこともないやろけど。あと、斜面に縦溝が…。んーーーー。奥のハライ谷も一緒かなー。
林道を横切って少し急に登ったあたりでtkd氏が見えなくなったので写真を撮ったり休憩しながら待つ。10分ほど遅れて登ってきたtkd氏に訊くと「スノーシューやのぉて沈むから しんどい」とのこと、アテがハズレましたな。見た目表情は既にバテバテ。この調子やとハライ谷まで行くのは無理やろか。ここでtkd氏と相談。オメナシは木が濃いのでハライ谷まで行って、斜面の様子を見て、ハライ谷に降りるかオメナシに降りるかピストンで尾根を戻るか決めようということにする。南方向に立派な山が見え、良さげな斜面も見える。昭文社の登山地図を出し、釈迦ヶ岳が見えてんのかなぁと話す。俺は1/2.5万の地形図も持っとるが、tkd氏は持っていないので登山地図のほうを持ってもろとく。尾根の途中で「滑る」とのことでtkd氏はアイゼンを装着。
檜倉に到着。まったりした丘のようなとこで尾根があちこちに分岐している。ハライ谷が少し見える。上のほうは ええ斜面があるが下のほうはどうなんかな、結構 木が多いようにも見えるが…。檜倉から少し先、尾根が下る箇所あり、俺は休憩、雪具合調査も兼ね、スノーシューを脱いでスノーボードでコルまで降りる。tkd氏は靴を履きかえるのが邪魔臭いので そのまま歩いて降りてくる。このコルからハライ谷に降りようかという案も出たが、「ココは斜度が緩いし、もう少し奥まで行ってみーひん?」と天然ハーフパイプのようにも見える、ハライ谷厳頭部の左岸側のルンゼを指さす。tkd氏「せやな…」と。再びスノーボードからスノーシューに履き替え、歩き始める。
少し登っていくと若干 風が出てきたので、ズボンのベンチレーションのファスナーを閉じ、脱いでいた上のヤッケを着る。スノーシューで一部、脛まで沈む雪もあった。あまり沈むとエラいんで、沈み難いよう、風紋が出来てて硬くなってるような雪面を選んで登っていく。おおむね、10cmほど沈む。引き返す時間が迫ってきているのでガンガン登る。西からの風がきつい。ヤッケのファスナーを上まで閉じる。風は一定ではなく時々強くなり、またおさまったりする。突風とゆうのか急に強くなると しばらく強く吹く。その時、眼鏡につけているグラサンが風で飛んでいきそうになったので、グラサンは直して、ゴーグルに付け替えた。ザックを少しでもあけると、ザックの中に雪が吹き込んでくる。雪を突風を避ける場所が無い。
急な斜面の途中から尾根の東側に雪庇が出来ている。tkd氏は だいぶ離れてしもたようで見えない。コルで俺がスノーシューに履き替えたとこから後ろは見ていなかった。もう少し登って石川の街並みが望める場所に来た。尾根沿いも見え、人らしきものが見える。単眼鏡で覗くとtkd氏やった。尾根の斜度の緩いところを登ってる。ストックを振って合図をする。tkd氏は手を広げて踊っているように見える。気づいてくれたかな。まだあっこかー、途中で休憩してたんかな。あと30分もあればここまで登ってきよるかな。
谷を降りるつもりなので谷の斜面でピットチェックしたいが、雪庇が続いているので、地形図で標高1549m地点にあたる、ハライ谷源頭部に近づき、雪庇が切れたところで谷に入る。が、ここは谷というよりは まったりした斜度の緩いところ。谷の右岸側の中尾根っぽいところに出てきて谷中の様子を探る。何個か0.5m四方のブロックが転がってるが、それ以外に障害物は無い。標高を200〜300mほど下げると両岸に木が出てくるような感じ。尾根にtkd氏が居るかなと思って探すが見えない。段々風がきつくなり、空の雲も増えてくる。天気予報どおりに昼から雪になるんかな。
tkd氏、どこに居るんやろ。雪庇のせいで ここからは見えない場所まで登ってきてるか、もう引き返したか、それとも途中の尾根からハライ谷に降りたか…。ここから見えない場所まで登ってきとるとしたら もうかなり近いとこに居るはずや。30分もかからんやろ。谷の源頭近くの斜度がきつくなる手前のとこでピットチェックをしながら、雪庇のとこを通ってるかもしれないtkd氏にコールしたり、笛を吹いたりする。
上から10〜15cmは新雪、柔らかい。その下10〜15cmに ほぼ氷化した層がある。その下は また細かい柔らかい雪、下にいくに従い締まった雪となり表面から1mほどでガチガチに硬くて掘れない雪にブチあたった。ハンドテストでは肩から先で かなり力を入れて叩いた時に上側の氷化層の下の雪が崩れた。上側の氷は1/14(土)の雨の影響が思い当たる。この上側の氷の層から上が全部 崩れてしもたら大規模な雪崩になる。あんだけキツく叩かんかったら崩れんかったしイケるな。とかなんとか考えながらも1分に1回はコールしたり呼子を吹いたりする。風は少しキツくなってきた。登りルートまでは ほんの50mほどやけど風の音でかき消されるのか!?!?全く反応が無い。ここに着いてから そろそろ20〜30分経つがtkd氏からの反応は無い。んーーー、ところどころ硬い雪もあったが、結構な新雪の部分も半分くらいあったし、スノーシュー跡はクッキリ残ってるから声や笛が聞こえなかったとしても登ってきとるとしたらココに来れないはずはないし、やっぱ途中で引き返すことにしたか、1549mまで行かずに途中からドロップしたか…。ココから少しドロップしたら尾根に居るか、途中からドロップしたtkd氏が見えてくるかも。ってことで、ドロップすることにした。(後から考えると大きな間違い)
ドロップすると、結構 乗りにくい雪。氷の上に新雪が15cmぐらいついてる。しかも表面は風に叩かれて ごく薄くクラストしている。少しターンすると、水平にピキーっと線が入って、表層10〜15cmぐらいの雪がベニヤ板みたいな感じでズレたり、ススーーっと音もなく数m落ちたりする。出だしだけで もう少し降りたら変わるかなと思って標高差200mちょい降りて標高1300mまで降りたが、雪の感じは同じ。崩れた雪で足首まで埋もれたりもした。相変わらずtkd氏は見えない。おまけに、登る時に見えてた亀裂とは別の50cm巾ぐらいの亀裂が谷中にあり、もう少しでハマりこみそうになるが、なんとか避けれた。あまりにも嫌な感じで雪崩るか、雪崩なくても亀裂にはまりこんでまいそうやし、tkd氏と合流せなってことで急だが、若干 木が出てるとこの支尾根から登ってきた尾根へと攀じることにする。斜度が急でツボ足ではズズっと落ちていきそう、スノーシューでは蹴りこみにくいってことでアイゼンを装着。今日はピッケルナシなので板を手に持って、前にガスっとさしこみながら登っていく。雪は大体 硬かってんけど、一部、柔らかいとこがあり、崩れてったらどないしょうかと緊張した。が、ビレイをとりつつソロで登るのも時間がかかるし、短時間で登りきったほうがええやろと思い、そのままガスガス蹴りこんで登った。平らな登りルートのとこまで出て高度計を見ると1350m。50mほど登り返したことになる。
tkd氏を探すが全然 見えない。上にも居ない、下にも居ない。滑りだした時よりも視界が悪くなってきた、100mほどか。雪がボチボチ降ってくる。登ってきたであろう足跡を見ると俺のスノーシュー跡の付近に靴の跡があり、tkd氏のものと思われる。その中に なんだか登りでないような足跡がある。これって下りの足跡かなー…。多分そやろ。ここからピストンで戻ったか、それか、ここよりスキー場側に少し戻って どこかドロップしやすいとこでハライ谷に降りたんやろ。
そうゆう推測(憶測)のもとに、ハライ谷にドロップしたトラックが残ってないか雪面を観察しながら、スノーシューを履いてピストンで戻っていく。一つ、尾根からハライ谷方面へ向かう足跡があったが、これはドロップはしてない様子。平らだった尾根に傾斜が出てきたところでスノーボードに履き替え、トレースを見つつ、降りていく。トレースは所々消えかかっている。雪は少しキツぅなってきた。尾根上に赤テープがあるが疎らで あまりアテに出来ない。GPSを見て、磁石を見、また地形図、そして 少し残る登りの(or tkd氏の下りの)トレースを見ながら 下る。
そや、tkd氏は携帯が圏外やから持ってきてへんけど、andさんに電話したらtkd氏が降りてきてるかどうかわかるかも!と思って、携帯の電源を入れる。圏内ではあるが、低温のせいか、すぐ電池切れになり、メールも電話もできない。しゃーないからズボンのポッケに入れてぬくめる。
尾根はデコボコしていて、所々、落とし穴のように開いてるとこがあるので全く気が抜けない。雪と風は ますます勢いづいてくる。檜倉の南のコルにつく。行きのスノーボードのトラックは未だ少し残ってる。が、この吹雪のせいか かなり埋まっている。時々「おーい、おーい」と声を出したり、笛を吹いたりしながら、ここまで来たが、風の音以外、何も聞こえない。tkd氏は大丈夫かな、まさか、奥に突っ込んどらんやろな。このコルで一緒に居った時やったか、白山釈迦ヶ岳のほうを見ながら「良さそうな斜面あるな、あっこまでいこか。」とか口走っとったけど、冗談で言うてたやんな、まさか本気で…?!吹雪のせいかもしれんけど、下りと思われる明確な足跡は あまり無い。んーーー、合流するべく引き返して探したほうがええんかな。でも あの雪では到底 谷中に降りる気にはなれんし、この時間から奥に行くと、明るい内には降りれなくなる。先に降りとるやろという希望的観測をアテにして、追っかけるつもりで降りることにする。(他のことは どうでもええから、とにかく降りていてくれ)
檜倉の登り返しをしてると ますます吹雪がキツなってくる。行きのトレースは半分以上消えてる。檜倉付近は尾根があちらこちらに分岐し、全体的に平らで、赤テープも疎らなので どっちに行ったらええんかよーわからん。GPSは ほっとくとすぐ電源が切れてる。低温のせいか、電池の持ちが悪いみたい。それでも衛星の電波はガンガン届く様で、電源ONにして1〜2分は表示され、現在位置を特定できたので磁石も見ながらルートを選んでいく。時々、行きのトレースがあり、tkd氏の下山跡があるかどうかチェックするが、下向きといえば下向きのような、でも消えかかってている。歩いて下ってるとすれば だいぶ前に通ってるのか…。板乗って降りていけるとこでも尾根上にはスノーボードの跡は無い。
なだらかだった尾根が ようやく左右が切れ落ちてハッキリしてくる。それにしても、この尾根、結構ボコボコで落とし穴みたいなのもあるし、まったく気が抜けない。吹雪いてるせいもあり、視界は50mほどで その限られた視界のなか、なんとか穴にはまらず、おりていく。最後は板からスノーシューに履き替え、また歩いていく。スキー場の放送の音が聞こえてきて 少しホっとする。普段なら「じゃかましーな、放送なんか流すな」て思ってしまうとこやけど、今日は違う。
また携帯の電源を入れてみるが、あまりぬくもってないのか、またスグ切れてしもて使いもんにならない。ひたすら歩き続けると よーやくゴンドラ山頂駅の建物などが見えてきた。ふーーーーっ。時計を見ると4時。スキー場も同じく吹雪。人はあまり居ない。レストランがあったんで、そこに入って、一服して携帯で連絡を試みる。ぬくい紅茶を買い、ストーブで携帯をぬくめる。レストランには家族連れが一組居る。andさんに山頂駅に着いたことを連絡し、tkd氏と会ったかどうか聞く。しばらく前から車で待ってるがtkd氏は来てないとのこと。んーーーー、まずい。じゃー尾根は降りてないのか。もしくは今、スキー場を ゆっくり降りていってるとこなのか、それとも尾根のどこかで迷ったのか、それとも谷に下りたのか…。
レストランの人が「ゴンドラで降りることも出来るけど どうする?」と聞いてくる。車でtkd氏の帰りを待とうと思い、ゴンドラで下山。ゴンドラで下山しない人はパトロール同伴で滑っておりている。もうゴンドラも上のほうに行くリフトも吹雪で終わりらしい。
車に戻り、andさんに「tkd氏は?」と聞くが、帰ってきてないとのこと。んーーー、どうすべか。
17時を過ぎても戻らない。所属の山岳会の代表Hさんに電話で相談する。「警察に言うしかないわ、警察に言うてみて」とのこと。17:15頃、スキー場インフォメーションで所轄の鶴来警察の番号を聞き、電話してみる。
鶴来警察の人は「スキー場内に居るかもしれんから、まずはスキー場に頼んで放送で呼び出してもらって下さい。居ても居なくても また結果を警察に電話で教えて下さい」とのこと。
スキー場の人に事情を話し、放送を入れてもらう。スキー場だけでなく、近隣の温泉、宿などにも問い合わせしてくれはった。20分ほどして「居ない」とのこと。そうこうしてる内に吹雪がキツなってくる。横なぐりの雪。上では もっときついやろか…。制服の警察の方がヤってきた。スキー場の方が呼んでくれはった様子。消防のほうにもスキー場の方から連絡してくれはった。
tkd氏の お父さんへの連絡をHさんに頼む。携帯の電池が切れてしもたんでスキー場の電話を貸してもらう。A藤さんを これ以上 引き止めておくのもアレなんで、電車で帰る段取りをしてもらうべく、JRへの電車時刻問い合わせをしてもらう。が、電話がまったく繋がらないとのこと。
Hさんから電話が入り、「かけてみたが、"現在 使われておりません"てなるで」とのこと。妻に電話して正しい番号を調べてもらう。が、分からない。番号案内とかに聞いてもらう。
A藤さんは相変わらず繋がらないと言ってる。
消防の方が3人来た。「事情を聞きたい」と言ってるが、こっちは電話での鶴来警察からの事情聴取で あれもこれも同時に出来ない。鶴来警察の方は一人 来られてるので電話か口頭か どっちかにしてくれたらええのに、同じことを並行して聞かれる。と同時に消防の方からは「早い目に電話を切って、こっちに話してくれ」と言われる。妻に再度 電話するが、tkdの父上の連絡先は分からず。車内に残ってる携帯のアドレス帳などを見れば分かるんやないかってことで調べてみ、また、名前が分からない箇所にかけてみるが、お父さんには行き当たらず…。
スキー場の方が、「2階の会議室に行って下さい」とのことで、行ってみると、スキー場の方、警察の方、消防の方が計10人ぐらい集まっておられて、「事情を教えて下さい」とのこと。
地形図を見ながら、登ったルート、最後にtkdを見たと思われる位置、その後の俺の行動、下りに見える足跡があったことなどを伝える。警察の方で、一人、制服やのぉて、モンベルのヤッケを着ておられる方が居て、色々、突っ込まれる。「tkdさんが あなたを今も捜している可能性があるのでは?」「tkdさんの性格は?」「tkdさんと今まで一緒に山に行って、はぐれたことはあるか?」「はぐれた時、彼は どのように行動したか?」「彼の装備は?」その他もろもろもろもろ。
色々と話し合った結果、tkdは「途中で引き返すことにしたが、尾根の途中で吹雪のため、違う尾根に入って、まだ帰ってこれてないんやろ」という結論になった。「今日は この吹雪で入れないから 明朝7時から皆で捜しましょう。天候次第ですがヘリも出します。今日は上のゴンドラ駅などは電気をつけっぱなしにしておきます。」とのこと。俺も明朝、一緒に行かせてもらえることになった。
とりあえず腹が減った。tkdのお父さんの連絡先は相変わらず分からない。警察の方に調べてもらおう。tkdちゃん、とにかく、雪洞ほって、なんとか耐えてくれ。
明日に備えて とりあえず元気つけとかな。スキー場所長に「飯
食いたいんですが」と聞くと、「パンならあるから売ってあげる。それ以外は外で食べてもらうしかない。電気がついてるとこはいけるんちゃうか。もしなければ車で2〜3分おりたとこに焼肉屋があるから そこは絶対やってる。寝るのはスキー場内のバス運転手控え室があるから、そこで寝てもらってよい」とのこと。ありがとうございます。ほんまに この所長さんには お世話になった。他にも色々と気配りをしてくれはって、どんなに心強かったか分からない。
21時半頃、A藤さんと晩飯探しの旅に出る。スキー場から歩いていけるとこの宿・レストランなどは一軒もヤってない。車で件の焼肉屋に行くが、入って聞くと、「もう今日は終わりです」とのこと。げげーーー。「食わしてくれる店とかコンビニとかありますか?」と聞くと「鶴来まで行かないと…」とのこと。
もう少し降りていく。15分ほど降りると かんぽの宿がある。そこでA藤さんに聞いてきてもらうが、「何も無い。従業員用の飯もないと言われた」とのこと。それにしても凄い雪。降り続ける。
もう、鶴来まで行きまっか。明日のためにはパンだけではあかん。パンだけでは上に上がってもフラフラするやろ。
45分くらいかかって ようやくローソンに着く。下りていく途中で雪はやんできた。ローソンで なんだかんだ買う。乾電池で充電するためのモンも買う。A藤さんも携帯の電池切れでauで同じなので、同じ充電器でええやんとゆうたけど、A藤さん「別に買います」とのことで二つ揃った。他にもネックゲータを買ったり、晩飯を買ぉたり、明日の食料を買ぉたりして\6000もつこてもた。コンビニ買物額、生涯最高値を記録した。ま、がつんといっとこ。
ミックスハンバーグ弁当をA藤さんと二人で食う。美味いなー。tkdちゃんは こんなんも食えないのか、生きて帰らないと ごはんを食う楽しみが味わえないのか…、と色々考えかけたが、いや、明日のため、今はベストを尽くそうと思い直し、何も考えないようにして食った。
スキー場へ帰る。道を上がってく。山が近づくと また雪が降ってくる。そこへ電話がかかる(23:37)。鶴来警察からや。
「tkdさん、スキー場に戻ってきました。tkdさん本人であることが確認できました。」とのこと。ほんまかいな、まじで?!やったーーーーーーー。えがったーーー。さすがtkd氏、おそるべし。ほんま良かった。やるなー。奴の行動力・生命力は凄い。
とにかく事故らないように、慎重に運転する。A藤さんから妻に電話してもらい、tkdの無事を伝える。妻からHさんに連絡してもらう。それまで あまり弾まなかったA藤さんとの会話だが、お互い、ほっとし、なんだかんだ喋る。
ようやくスキー場に着く。「おーい、tkdちゃん、どこやーー」「ここやー」2階の会議室から声がする。開けると、毛布にくるまったtkd氏が座っていた。少し距離を置いて、カメラマンや照明とか記者みたいな人とかが居る。警察の方が一人だけ居てはった。
まーとにかく元気意そうで何より。お互いの その後の行動を簡単に説明しあう。tkdちゃんは吹雪のせいで途中から俺の足跡が分からなくなり、予定どおりにと谷を下りたが、なんだか途中から尾根を一つ越え、遠いほうの小谷とかゆう谷に入ってしまったらしい。滝を巻く途中で20〜30m滑落し、頭から川に突っ込んだらしい。打ったりはしていないが首まで浸かってもうたらしい。それにしても、よー怪我なしで帰ってきたな。
tkdの手が震えていたので、スキー場の流しにあった洗い桶を借りて お湯を貯め、そこに手をつけてもらう。コンビニで買ってきた あれやこれやを見せて好きなのを食ってもらう。甘党のtkd氏は まっさきにシュークリームに手をつけていた。そうこうしとる間にも記者からtkdに質問が飛ぶ。ある記者の方が俺にも「後で話を聞かせて欲しい」と言うてはったが、荷物を車に運んだりとか何だかんだしてて、それはせずに済んだ。スキー場所長が「救急車 呼びましたから。呼ばないわけにはいきませんから。」とのこと。tkdに それを伝えると「いや、俺、いらんゆーたで。」とのこと。でも救急車は既に こっちに向かっていて、所長によると、引き返してもらうわけにはいかないらしい。
救急隊員が来た。tkd氏と隊長が しばらく押し問答していたが、結局 病院にいくことになり、歩けるが念のためとゆうことで担架に乗せられ、俺もA藤さんも担架を持って救急車まで運んだ。
「救急車についていきます」と言うたが、「だめ」と隊長に一蹴される。後で消防署に電話して搬送先を教えてもらうことになる。「多分、金沢方面」とのこと。
荷物を全部車に運び込み、スキー場所長に お礼・お詫びを言うて、また車を運転する。しばらく行くと携帯に電話がかかってきて、「松任中央病院になりました」と教えてくれた。
地図を見て病院に向かう。案外簡単に分かった。tkd氏は診察を受けたが どこも悪ないとのこと。「警察とか、もう行かんでええんかな?お詫びとか挨拶とかしに。」というと、「もぉええねん。もぉいかんでええことなってるから」とのこと。相談し、明日の仕事もあるんで、早速帰ることになる。
北陸道をひた走り、明るくなった名神を走る。
吹田ICで下りてA藤さんを家へ送る。その後、高速で生駒のtkd氏の仕事場へ直行。A藤さんはブーツを車内に置き忘れてた。
9:00にtkd氏と分かれ、下道で自宅へ。12時前に ようやく自宅着。シャワーを浴び、ビールを呑んで ぐったりと寝た。
一里野スキー場、鶴来警察、石川白山消防、飄逸沢遊会など関係の皆様に大変ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。
今回の第一の失敗は途中から俺が先行し、離れ過ぎてしまったことにあります。第二の失敗は、tkd氏の姿を確認しないまま谷にドロップしてしまったこと、登ってきたルートをそのまま忠実に下りるほうがベターでした。
また、同行者の装備を把握しておくこと、登山計画書に装備をきっちり書いておくことは、後から捜す者にとっての有効な情報になることが分かりました。逆に、装備が分からないと、行動推測時に不利に働くことが よく分かりました。
今回の経験を今後の山行に役立てたいと思います。
・ルート概略

tkd氏の持ち物
・スノーボード
・スノーボード用ソフトブーツ(未使用)
・冬用登山靴
・アイゼン
・ピッケル
・ダブルストック(内1本だけ)
・ビーコン
・靴下
・手袋
・下着(mizunoのブレスサーモ)
・厚手のフリース上着
・スノーボードウェア上下
・ヘルメット(防水)
・ゴーグル(橙色レンズ)
・ゴーグル(黄色レンズ)
・ザック
・ショベル
・ゾンデ
・磁石
・登山地図
・ヘッドランプ
・行動食
・ツェルト
tkd氏の持ってなかったもの
・携帯(vodafoneは一里野スキー場Pで圏外だったため車内に置いといた)
・時計
俺の持ち物
・スノーシュー
・スノーボード
・スノーボード用ソフトブーツ
・アイゼン
・ダブルストック
・ビーコン
・厚手靴下
・シンサレートの毛糸っぽい手袋(インナーとして)
・モンベル手袋アウター
・コーナンで売ってた\400ぐらいのネオンプレーン手袋(登りで暑い時用)
・zeoline 長袖 中厚(一番下に着る)
・patagonia R.5 長袖(zeolineの上に着る)
・化繊のパッチ
・ウェア上(モンベル 登山用)
・ウェア下(モンベル スノーボード用)
・フェイスマスク
・zeoline 目出帽
・ヘルメット
・ゴーグル
・ゴーグル(予備)
・グラサン(眼鏡に後付するタイプ)
・ザック(モンベル、30l)
・ショベル
・ゾンデ
・鋸
・磁石/高度計付腕時計
・地形図
・ハンディGPS
・ヘッドランプ
・食料
・手袋予備
・靴下予備
・8mm20mmロープ
・ツェルト
・絆創膏
・三角巾
・レスキューシート(金色/銀色)
・行動食/非常食(ミニあんぱん5〜6個入、KitKatみたいなん、カントリーマーム、飴、羊羹、etc)
・ハイドレーションシステム水袋(1.8l)
・ドライバー
・ヘッドランプ予備電池
・乾き易いタオル
・ロールペーパー
・薄手ダウン風ジャケット(化繊 中間着用)
・単眼鏡
・デジカメ
・携帯電話
・関連記事 と その実際との相違点
asahi.com my town石川
誤→遭難救助に出動する騒ぎ
正→翌朝7時から捜索を開始する予定だった。当日夜は捜索箇所の相談を行ったが、吹雪がひどいため捜索はしなかった。
北陸朝日放送 headline
誤→檜倉山頂をめざして
正→しかり場分岐をめざして
誤→尾根から2、30メートル滑落しました
正→しかり場分岐付近から小谷へ滑降し、途中の滝を巻いて降りている時に2、30メートル滑落しました
SANSPO.COM
誤→知人の男性会社員
正→知人の男性自営業
誤→標高約1200メートルの山頂付近から滑走しようと
正→標高約1549メートルの しかり場分岐付近から滑走しようと
石川県警 平成18年1月の事件・事故ファイル
誤?!→午後8時になっても下山しないことから
正→最初に鶴来警察に"下山してこない"と電話したのは17時半でした。
TV金沢
誤→檜倉山頂からスノーボードで滑走しようと
正→しかり場分岐付近からスノーボードで滑走しようと
誤→尾根から20〜30メートル下の沢に誤って転落し、行方不明になり
正→しかり場分岐付近で吹雪のため同行者とはぐれ、(20〜30m滑ったのは途中の滝を巻いて降りている時)
・その他
snownews online
テレビ金沢サイトの引用
ski&snowboard safety
SANSPO.COM, asahi.com の引用
tkd君が無事帰還できて何よりでした。
二人の体力差はあるけど、やっぱり仲間の居場所は確認せにゃあかんね。
今回の事を教訓にして、またひとつ
パワーアップしたFontaineの、
これからの活躍!期待してまっせ〜!